人生はハードコア、デスメタル

ハードコアパンク、デスメタル等のエクストリーム・ミュージックについて語るブログ

BERZERKER LEGION 『OBLITERATE THE WEAK』レビュー 手練による無難な感じのデスメタル

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SANCTIFICATIONのTomas Elofsson(G)、ASPHYX/GODS FORSAKENのAlwin Zuur(G)を中心に、SYN:DROM/WOMBBATH/ASHCLOUD他のJonny Petterson(Vo)、DARK FUNERAL/ex GRAVE/ex THERION/ex EXCRUCIATEのFredrik Isaksson(B)、VADER/BLOODSHOT DAWNのJames Stewart(Ds)によるデス・メタル・バンドの20年発表の1stアルバム。いわゆる手練れというメンツによる王道デスメタルをやっている。意外にもメロディが豊かで、メロデスと紹介されてもおかしくない楽曲構成。ヴァイキング・メタルのような野蛮さも持ち合わせており、Amon Amarthといったバンドにも通ずるものがある。演奏も安定していて、サウンドプロダクションもクリア。ボーカルのグロウルも聴きやすく、デスメタル初心者でも入りやすいのではないだろうか。楽曲はヘヴィさを重視しているという訳でもないが、ミドル・テンポでズシズシ進む感じで、安定感はある。展開もデスメタラーの耳馴染みの良い感じで、非常に安心して聴ける。オールドスクールデス・メタルというよりはモダン・デス・メタルといった感じか。腐臭漂うようなアンダーグラウンドデスメタルを聴いている玄人にはヌルいと思うし、楽曲に目新しさはゼロ。ちょっと良いかな?と思うようなメロディはあるものの、突き抜けたパンチ力は感じられず、これといったキラーチューンは無いので、あくまでも普通のちょっとメロディアスなデスメタルといった印象しか見受けられない。バリバリに突進するようなテンションの高い曲が無いのもスピード狂の自分にとっては不満というか、物足りない。そんな戯言を払拭する素晴らしいメロディやリフがあれば別だが、そういう訳でもないし・・・まあ、バッサリ言ってしまえば中途半端なテンションで、演奏は上手くても、エクストリーム・メタルとしてはB級だろう。ベテラン勢にありがちなクオリティというやつは安定しているが、楽曲の質は最高とは言い難いというレベルに落ち着いてしまっているのは残念。あまりシーンに刺激を与えるような作品では無さそうだし、短命に終わりそうなバンドだが、果たしてどうか。次回作で大幅に化けるといった進化に期待したいところ。前述したようにデスメタル初心者には入りやすいと思うので、ちょっとデスメタルをかじってみたいんだけど?って人にはオススメかもしれない。まあ、それなら他にデスメタルの名盤はいくらでもあるので、そちらを聴くことをオススメするが・・・何だか不満ばかりを書き連ねているような気がするが、不思議と憎めないバンドではある。やはり、王道というやつは憎めないものか。